2017/07
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日本が壊れてゆく
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ガラガラと音を立てて日本が壊れ始めている。子殺し、親殺し、妻殺し、夫殺し、いじめという名の学校現場の殺人、ストーカーの末の殺人、高齢の老人による殺人、パワハラの横行、命を預かる鉄道会社の怠業、有名ホテル会社の食品偽装、若者が高齢者を食い物にする振り込め詐欺…いずれも狂気の沙汰だが、当の犯罪者たちの罪の意識は極めて薄い。捕まる奴が馬鹿だ、と言わんばかりの厚顔無恥ぶりだ。

 

とりわけ、いじめをひた隠しにしようとする教育現場の責任者たちや悪質企業の役員たちは、事実が発覚して告発されてもなお形式主義・保身主義に徹する。彼らの「一糸乱れぬお揃いの形式謝罪会見」には、心底寒気がする。

 

ここ数ヶ月間でも日本から聞こえてくる事件は今までとは何かが違う。質的に何かが違う。日本が壊れてゆく、序章なのか。これらの事件に共通しているのは、現在の日本社会が構造的に持っている何かが根底で作用している、と感じたのだ。一貫して教育畑を歩いてきた私は、すぐに今日の教育現場を想った。

 

長いスペイン生活から日本に戻って来て、私は二十年ぶりに日本の高校の教壇に立った。生徒たちは二十年前、いや私が教職に就いた三十数年前と本質的にはちっとも変っていなかった。彼らはこの目の前に広がる世界を好奇心いっぱいに真っ直ぐな目で見て、感じ、成長しようとする。私が日本を出る前と何も変わりはしない。無残に変わっていたのは職員室にいる教職員たちだった。

 

帰国後すぐに勤めた東京の高校では、学科の主任はいなく、「スーパーバイザー」なる役職名を与えられた教員が管理職の下部のような役割を負っていた。コンビニやスーパーのシステムを教育現場に持ち込んでいるわけである。

次に勤めた茨城の高校では、理事長でもある校長に意見を言える教職員がいなく、教頭以下、無力に追従する姿に強い衝撃を受けた。感じやすい年頃の生徒たちに良い影響を与えるわけがない。

 

海外の日本人学校も同じ構造である。いや、寧ろ閉ざされた日本人村となってしまうので、学校組織の状況は更に絶望的なものだった。

メキシコの日本人学校では、日本から派遣された校長が人事権その他のパワーを握っているので、教職員、とりわけ日本からの派遣教員は何も言えない仕組みになっている。校長の一存でいつ日本に帰されるか、びくびくしながらの教育に、子供たちの未来が見えるはずがない。

 

もし、任期途中で日本に帰されれば、派遣教員の日本での教員人生は終わりだと思うから、常に校長の顔色を窺うことになる。これは、極めて深刻な事態である。言うまでもなく、こうした海外の日本人学校組織のゆがみ・ひずみは、異国に住むがゆえにそこに通わざるを得ない子供たちの心に深刻な影響を与える。

 

これはひとりメキシコの日本人学校に限った問題ではないだろう。現在の日本社会が構造的に抱える問題が異国での日本人社会を更に閉鎖的にし、極めて先鋭的に現れているにすぎない。文科省は海外の日本人学校のパワーコントロールの仕組みを早急に調査し変えていき、海外での日本の子供たちの置かれている危急を一刻も早く救うべきである。

 

日本の内外を問わず、これらの学校現場で共通していたのが、校長や教頭などの管理者側が職員室にさらに「管理する教員」のポジションを置き、職員室を「見張り合い」の職場にしていたことである。結果、足を引っ張られないように形だけ繕う「形式主義」と上におもねる「縦社会主義」が不幸な合体をする教育現場が出来上がることになる。今や職員会議さえも有名無実化されている教育現場が多いと言う。こうした大人たちの小心と怠慢の下で子供たちが悲鳴を挙げている。その国の社会の破綻がもっとも象徴的に現れるのが教育現場である。

 

いま日本というシステムは、時代にそぐわないその旧弊さと硬直した形式主義を前に瓦解し始めている。その弊害をまともに受けて、マニュアルに頼る生き方に慣らされてきた現代日本人は途轍もないストレスと不安に押しつぶされそうになっている。今までのマニュアルはもう役に立たなくなったのである。いや、もうマニュアル頼みの生き方自体を変えなければ、日本と日本人は壊れていく。

 

日本が現在置かれている状況は当然、それほど単純ではない。だが、日本人一人ひとりが自分の頭で今の日本をどうしたら良い方向に進めることができるかを考え、まずそれを、誰に頼るのでもない、自分自身が実現させていくのだ、という強い「覚悟」さえ持てば、道は開けるはずである。



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