2017/03
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日本語を考える

仲間 バルセロナ 日本食 後ろから写真 440pc
 

  この 四つの文章は以前に日本語についての質問を受けた際の返答という形で書いたものです。



①「~始める」と「~出す」

りんごさん、こんにちは。

まず、「~始める」と「~出す」の関係では以下の3点を確認します。

 

1、「~始める」は「~出す」をほぼ包含する、という関係がある。

2、描写主の意図を「~出す」では表しにくい。従って、この場合は普通「~始める」で表す。

3、逆に言うと、描写主の意図や予測外で起こる事態(ここから描写主からすると唐突、突然という事態になる)に対しては「~出す」で表しやすい。

 

その上で、りんごさん提示の

> しかし、「太陽が沈み始める」や「曇り始める」は「出す」より「始める」>のほうをよく使うと思いますがどうでしょうか。

の問題を考えてみます。


この場合の「太陽が沈む」「曇る」という表現を、「予測・予兆される現象・事態」と考えれば、上記3の【予想外のことが突然起こる】ことを表せる「~出す」より「~始める」のほうが使いやすい、ということではないでしょうか。もちろん、描写主にとって予測外の場合(「曇る」は有り得ますね)は「~出す」が適切だということになります。



他の例:「月が欠け始める」「彼はいつものようにそれをやり始めた」



②「~で」の用法

 

シーズーさん、こんにちは。

>  「ロイヤルミルクティーでお待ちのお客様!」


>
 格助詞の様々な用法がのっていますが、上記の「で」はどれに当たるのか

> よく分かりません。

>  ①場所 ②材料 ③手段 ④原因 ⑤範囲(1日で仕事を終える)

>  ⑥まとまり(一人で夕食を食べる)⑦内容(進学のことで先生に相談する)

この
7つの分類のうち「4.原因」を「原因・理由」とすれば収まりそうな気がします。

シーズーさん提示の文例

★ロイヤルミルクティー「で」お待ちのお客様!

 

は、意味の補いを( )、「で」を理由の「のために」として示すと、

★ロイヤルミルクティー(を購入)「の為に」お待ちのお客様!

 

となります。

スペイン語ではこの「原因・理由」に「目的」を加えて"para"で表現でき、日本語の「の為に」によく似ています。「理由」は「原因」「目的」双方にかぶっているので上記文例の「で」は「目的」とも言えます。

 

シーズーさん提示の文例と同様、「で」が「目的・理由」の文例を挙げておきます。

○面接「で」お待ちの学生さん!

○修理「で」お待ちのお客様!

○確定申告「で」お待ちの方!

 

因みに「で」が「原因・理由」の文例は、

○雨「で」お待ちのお客様!

○事故「で」お待ちの方!

 

文法をいたずらに重くしない、という視点で考えてみました。





③「ニホン」と「ニッポン」

 東京の「日本橋」は「ニホンばし」、大阪の「日本橋」は「ニッポンばし」と発音する

のに象徴されるように、「ニホン」と「ニッポン」、どちらが正しいかというのはあまり生産的で

ないので、影響力のありそうな例を二つ紹介しておきます。

NHK(日本の共通語の模範を示しているとの噂もありますが、どうでしょうか…)の日本

の発音に関しての見解は「正式の国号として使う場合は[ニッポン]。そのほかの場合には[ニホン]と言ってもよい。」となっています。もう一つはケイザイ大国の象徴である日本銀行お札に

NIPPON」と

書かれていることです。


 中国語の影響のままの発音ならばニッポン(ジパン→ニッポン、ジパング・ジャパン)で
ニホンは日本人の好むやわらかな発音というところでしょうか。

また、NIHONと綴るとHを発音しない言語(スペイン語など)からすると「二オン」と締

まらなくなります。これは円を国際表記上はENでなくYENとするのと同様に、表記した際の発音上の配慮も絡んでいるかもしれません。


 サッカーの応援などで押し出しの強さを表したい時は「ニッポン」を使い、やわらかな印

象を表したい時は「ニホン」を使える、という日本語の豊かさと捉えれば良いのではないでしょうか。

以上の点から、国際的には「ニッポン」が通用しやすく、国内的には「ニホン」「ニッポ

ン」のどちらでもいいのではないかと考えています。でも発音より重要なのは「日本人がどう日本と向き合うか」ということだと私には思えるのですが。

 


④「ありがとう」と「すみません」


 現代日本人は「ありがと
う」という表現に違和感を感じているのではないでしょうか。「有り難う」は文字通り「有ることが難い」で、「稀なことを尊ぶ気持ち」から感謝の意に広がったらしいですが、そうだとすると、稀なこと・変わったことを忌み嫌い皆と同じである

ことに辛うじて安堵することを習いとして来た現代日本人には、決して使い勝手の

良い言葉とは言えないことに気が付きます。

 実際、若者や子供には「ありがとうを
言いなさい」と言う大人たち(もちろん私も含む)は、「ありがとう」の代わりに「すみません」という便利な言葉を、打ち出の小槌のように使うのが常です。
 「ございます」を取った「ありがとう」は、例えば上司には使えないし、「ふむ、
でかした」と相手を見下すように響くから、「ありがとうございます」という長たらしい表現を言うことになります。

 それよりも、礼を言うときだけでなく、謝ると
きにも依頼するときにも使え、場合によってはそのどれにも解釈できる「すみません」を重宝し汎用するのは、現代日本人の苦肉の策のようにも見えます。「有り難う」と相手を持ち上げるよりも、「す(澄・清・済)みません」≪(それでは私の心が)澄(清)まなく、(気持ちが)済みません≫と自分が一歩下がるほうが無難だからでしょうか。

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