2017/03
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<連載>小説「バルセロナの侍」Novela "Samurai de Barcelona"
 
バルセロナの侍 表紙
 

  スペインはバルセロナに日本人探偵がいることを、耳にした人もいるだろう。ヨーロッパでは彼を「バルセロナの侍」と呼んで、数々の陰惨な事件とともに記憶に留めている人も多い。彼は嫌がるだろうが、彼の一番近くで事件を目の当たりにしてきた私は、このへんで、それらの奇怪な出来事の一部でも記録しておこうと思う。謎に満ちた彼の探偵としての「侍」ぶりも、この際、世間に知らしめておきたい。もっとも、彼が私の執筆を寛容をもって見てくれるかどうか、だが。

目次(タイトルをクリックすると該当の記事に跳びます)

サムライ参上

1  黒ずくめの男
2  予兆
サグラダファミリアの晒し首
1  八頭龍(おろち)
2  生首
3  ジェラード警部
4  黒手帳
5  主任石工
6  五十五年前の転落死
7  ガウディ”未来の会”と”伝える会”
8  転落死と晒し首
9  石工の身辺
10  初動
11 マリア 
12  二度目の手裏剣
13  雑木林の対決
14  サムライの礫 
15  背中の刀身
16  黒ずくめと晒し首
17  サグラダの勢力争い
18  人違い
19 名刀
20 狂気と悪魔の握手
21  石工、加納の命
22  鉄骨の落下
23  やっぱりお前だったか
24  天才剣士
25  勝負
26  二天一流
27  真剣勝負
28  下段白眼の技
29  何という男だ
30 黒幕
31  狼男より恐ろしい奴


サムライ参上

1 黒ずくめの男

 あっと思った。その瞬間に、この男はバック転で逃れたが、危うく鼻先を切られるところだった。突然刃物が飛んできて驚いたが、それが手裏剣だと分かった時は、むしろ呆れてしまった。何しろ今は21世紀で、しかもここは地中海のほとりに位置するヨーロッパの都市バルセロナなのである。

 この男の名前は佐分利健。だが彼を知る者は、彼を「サムライ」と呼ぶ。この男の素性は追々触れていくことにして、とにかく今サムライの身に襲い掛かったことに戻ろう。
 彼の鼻先をかすめた手裏剣は林の木の幹に突き刺さり、黒く鈍い光を放っていた。サムライは身を屈めながら慎重に辺りを窺(うかが)った。

 東の空はようやく白々と明けてきた。彼は早朝のトレーニング中にこの奇妙な事件に巻き込まれたのだ。すんでのところで命拾いしたサムライは、全身の五感を研ぎ澄ませた。そのまま身じろぎひとつせず、長い沈黙を遣り過ごした。

 何分ぐらい経ったであろうか、朝もやの林の中で幽かに葉の擦れる音を、サムライは聞き逃さなかった。その方向に振り向き際に、彼の手から礫(つぶて)が矢のように放たれていた。礫は古木の枝に当たりめり込んだ……と、その時、短い呻(うめ)き声が漏れた。同時にその枝は古木から離れ落下した。枝と見えたのは黒ずくめの男の脚で、落下しながら一瞬その全身を垣間見せたが、ふわりと身を翻し湿った土を蹴ったかと思うと、ゴム毬のように跳ねあがり、枝から枝へ跳び、つむじ風を残して消え去った。

 サムライは深追いしなかった。 

更新日:2013-05-08 12:54:48

2 予兆

この出来事が後の奇怪な事件と関わってくるとは、私もサムライも思ってもみなかったのだが……。

 さて、バルセロナで探偵をやっているこの男と私の関係だが、バルセロナの大学院でともに日本学を研究していた仲間だった。その頃から優秀だった彼は、そのまま研究を続けていればすぐにでも教授になったのだろうが、江戸期の犯罪を探求しているうちに、どういうわけか探偵事務所を立ち上げてしまった。その気まぐれに私も付き合わされた、ということである。

「バルセロナの侍」こと佐分利健は現在32歳、バルセロナに探偵事務所を開設して7年。その比い稀な身体能力と時に神懸かりかとさえ思える直観力で幾多の怪事件解決に関わってきた。私は事務所開設当初からこれらの事件と彼、サムライを誰よりも身近に見てきた。というより、共に命を危険に晒されてきた、と言ったほうがいいだろう。

 我々が関わってきた幾つかの事件の中でも、最も陰惨な事件の一つが、冒頭に紹介した「手裏剣」事件が端緒となった世にも奇怪な事件である。この事件は当時のスペイン、いやヨーロッパ中を震え上がらせ、今でも人々はその暗澹たる犯罪を思い出すたびに恐怖の面持ちで口に上らせるのである。

 それは、あの手裏剣がサムライの鼻先をかすめた出来事から二週間後のことだった。

更新日:2013-05-05 15:21:24

サグラダファミリアの晒し首
バルセロナの侍 尖塔20101117021814577 

1 八頭龍(おろち) 
 
 バルセロナの街中に聳え立つ、巨大な八頭龍(おろち)を思わせる建物がある。スペインの天才建築家アントニ・ガウディの最高傑作と謳われているサグラダファミリア(Sagrada Família/聖家族教会)である。着工からすでに百年以上経つが、現在もなお工事が続けられている。

 この奇怪な生き物のような教会は完成すれば十八の頭になるという。現在は八つの頭が天に向かって突き抜けている。

 そのうち誕生の門の四つの頭、即ち四本の尖塔部分を、秋も深まった11月23日、ようやく暁光が雲間から差し始めた早朝、向かいのマンションの屋上から右から一本ずつ順番に双眼鏡で覗いていた少年がいた。 

 一本目、二本目、そして三本目の尖塔に移ったとき、その先の部分に何か奇妙な物体がぶら下がっているのに気づいた。双眼鏡の焦点をそのボールのような物体に合わせて見ると、それは左右にゆっくりと振り子のように揺れていた。

 ちょうど雲間からオレンジ色の暁光がそれを照らすと、少年は獣のような叫び声をあげた。

更新日:2013-05-10 14:45:40

2 生首

 少年は明け方の光がゆっくりとバルセロナの街を照らし出す光景が好きだった。この二百万都市の喧騒が夜の帳(とばり)を降ろして深い眠りに入り、やがて暁光が差し込み、また快活な一日の始まりを告げようとする早朝のこの時間が、一番好きな瞬間であった。

 が、今しがた少年が双眼鏡の中で見た光景は、ようやく微睡みから目覚めようとするこの美しい街に、歴史上かつて無かった戦慄と恐怖を与えた。

 少年がまだ微睡む曙の静寂を切り裂くような叫び声をあげた先には、サグラダ・ファミリアの尖塔があり、その先端部分に、ボール状のものがぶら下がっていた。それは、紛れもなく人の生首だった。

 髪を頭の上のほうに束ねて、それにロープを結わえ尖塔の先端部分に引っ掛けられていた。風に揺られ左右に揺れながら、その首は何かに耐えながら微かに笑っていたように見えた。喉の半分ぐらいから切り取られ、夥(おびただ)しい赤黒い血を垂れ流していた。
 
更新日:2013-05-10 14:49:05
  
 
3 ジェラード警部

 ジェラード警部は、尖塔に晒された生首をじっと見つめたあと、顔を顰(しか)めながら
「人間のすることか……」と呟いた。彼は「モソ」と呼ばれるカタルーニャ州の自治州警察でも古株の名物警部である。

巨漢を斜め後ろに捩じり、鬼才画家ダリそっくりの髭を撫でながら、
「ところで、サムライ、君はなんでこんなに早くこの事件を嗅ぎ付けたんだね?」と佐分利に話しかけた。サムライは、寝起きに慌ててやって来たものだから、ひどい寝癖の髪を押さえ付けながら、
「今回はこいつのお蔭で」と横にいる私に目を遣った。

 私はサムライと一緒にバルセロナの大学院で日本学を研究していたが、サムライは江戸犯罪、私は日本古代建築とそれぞれの興味にのめり込んで行くうちに、彼は探偵、私は建築家を生業とするようになった。 この陰惨な事件が起こったサグラダ・ファミリアで主任石工をやっている日本人、加納公彦は日本の大学時代の悪友である。

今回は、加納が第一発見者ということで、警察への連絡と同時に私を電話で叩き起こしてくれた、というわけである。私がサムライの探偵事務所に関わっていることをすぐに思い出してくれたようだ。

更新日:2013-05-10 14:55:35

4 黒手帳

 その生首は女のものだった。恐怖で吊り上った眉の下で諦めたような半開きの眼、濃すぎた口紅を悔いるような硬く喰いしばった唇、それらのパーツの間で幾分上向き加減の鼻が、唯一生前の彼女の愛らしさを訴えていた。

 鑑識に回される前に、サムライは念入りに女の生首を見て、
「素晴らしい金髪だけれど、ここ一週間は手入れができていないね」とロープに結わえられた頭髪の根元の黒髪を指差した。陽もすっかり上がっていて、もう生首の細部にわたって鮮明に見える。

「それに、左の頬と顎の下の傷は、比較的古いものだ」そう言ってサムライは手早く携帯でアングルを変えながら写真を数枚撮った。そして、愛用の黒手帳に何やら細かくメモを取ったかと思うと、
「引き上げようぜ」と私の袖を引っ張った。そしてこの事件の第一発見者である主任石工に目配せして、
「のちほど私から電話を」と人差し指でダイヤルを回すような円を描いた。
                                                             

更新日:2013-05-13 08:56:50
  
5 主任石工

 加納公彦はガウディの心を伝える彫刻家として、ヨーロッパ人以外で初めてサグラダ・ファミリアの主任石工となった。神が時間を作り、悪魔が時計を作った……ガウディの時空を超えた芸術観を最も具現化できる石工としてガウディの信望者たちは、この極東から裸一貫で来た若者に自分たちの夢を託した。

 ガウディを見つめるだけでは何も見えてこない。ガウディは生涯を掛けて何を見ようとしていたのか、その視線の先をガウディと共に見つめることで、サグラダ・ファミリアのあるべき本当の姿が見えてくる……加納がかつて、私にぽつりと言った言葉だ。

 加納は地元やヨーロッパのベテラン石工たちに推挙されて若くして主任石工になったが、もちろん、この極東からやって来た才能ある若造に対する嫉妬ややっかみがなかったとは言えない。彼の登場は、サグラダ・ファミリアの長い歴史の中でその伝統の精神を忠実に引き継ぐ救世主として、ガウディ信望者や古株の石工たちから大きな期待を掛けられた。

事実、加納も初めのうちは彼らの期待に沿った仕事をしていたが、徐々に彼の彫刻は作風を変えていった。ガウディが見つめていた先を、この若き主任石工は己の才能と合体させるように、周囲の期待を見事に裏切っていった。サグラダ・ファミリアの伝統的な彫刻とは一線を画するかに見える現代的な作風に変化していったのである。

 ここから、思いもかけない悲劇の序章が始まっていた。
                                                                                                                                                                                                                               更新日:2013-05-17-13 :06:23                                                                                                                                                              
修正 ガウディ・コード 嬰児殺し - コピー 
                                                                    

6 五十五年前の転落死
            
                                                                                                         
 ガウディがサグラダ・ファミリアに残した彫刻のうち、「ガウディコード」と呼ばれる謎めいたものがいくつかある。その中でも「嬰児殺しの兵士とその足元に縋り付く母親」の像は、ガウディの創作意図を巡って、数々の論争が繰り返されてきた。それは、ガウディの意志を継ぐ者は誰か、真のガウディの後継者は誰なのか、という激しい論争に発展していった。

 そうしたさ中に、今から五十五年前の11月の寒い夜、一人の若い石工がサグラダ・ファミリアの「生誕の門」の上から転落して死亡した。当時の新聞には小さく事故死として報道されたが、内部関係者の間では様々な憶測が飛び交っていた。ガウディの後継者争いに巻き込まれて苦悩の末、投身自殺した……あるいは、この若い石工の彫刻の才能を恐れた仲間の石工が突き落とした……というような噂が彼の死後数年は人々の口に上るようになっていた。

いや、実は彼は落下した夜「嬰児殺し」の彫刻に密かに手を加えようとして、夜な夜な這い回ると噂のあった彫刻たち、人面魚や人面トカゲの悪魔たちに尖塔まで追い詰められて落下した、という噂までまことしやかに囁かれた。
                                                                  

更新日:2013-05-21 01:13:23

7 ガウディ”未来の会”と”伝える会”

「で、その五十五年前の石工の死と今回の事件は何か関係がありそうなのか?」私はサムライに水を向けてみた。佐分利と私は事件現場から早々に引き揚げて、彼の探偵事務所にいる。もう午前八時を回っていた。自分で作った朝食……蜂蜜をたっぷり入れた特製のミルクセーキを一息で飲んでから深い溜め息をついて、彼は渋い顔をしてようやく答えた。

「今のところ確証はないが、俺の頭の中では太い線で結ばれているよ」
「生首の彼女はジェラード警部によると」と私はメモ帳を開きながら、さらに水を向けようとすると、この探偵は、
「アンヘラ・マルティネス、二十八歳。カタルーニャ芸術大学を卒業後すぐにサグラダ・ファミリア財団の秘書になり、その真面目な勤務ぶりを買われてこの秋から”ガウディの意志を継ぐ会”の役員に抜擢された」とテーブルに置いてある黒手帳を捲りながら、さらに一気に、抑揚のない歌でも歌うように続けた。

「だが、その真面目さがアダにもなった。彼女はガウディの意志を新しい解釈で引き継ごうとするグループ”ガウディ未来の会”の一員でもあった。サグラダ・ファミリア教会の完成プランに彼女の芸術観を半ば強引に挟み込んで、ガウディの作風を忠実に後世に伝えようとするグループ”ガウディを伝える会”のメンバーたちには強い反感と警戒心を植え付けてしまった。

そこでだ」サムライは窓際にゆっくり歩きながら、
「君の言う五十五年前の石工の死との関係だが……」

                                                                          更新日:2013-05-22 14:56:14

8  転落死と晒し首

「君の友人の日本人石工、加納公彦さんね。彼が私の携帯の留守電に入れてくれていたメッセ―ジでわかったんだけど、五十五年前にサグラダ・ファミリアから転落死したセルヒオ・マルティネス氏は、今回の晒し首の被害者、アンヘラ・マルティネスさんの祖父ということだ。まあ、加納さんの立場もあるだろうし、ガウディの創作意図を巡った対立もあるだろうし、本当は警察でなく、私のような探偵に秘密裏に真相を解明してほしい、というのが、正直なところだろう」

 佐分利は探偵事務所の窓から外を見やったまま、軽く吐息をついて、それきり黙った。こういう時に彼が見せる針のような細い眼には、私にさえ気取られまいとする用心深さがあった。彼の探偵としての集中力が極限まで高められた証拠である。
                                    
                                                                                更新日:2013-05-25 15:33:15
 
 
9 石工の身辺                                                                         

「加納も危ないな」私は彼の集中力が外界をシャットアウトする前に、一番気になる問題に入った。私の多少上擦った言葉に、佐分利は窓から外を見つめたまま、
「そう、彼は今ではガウディ継承で革新派の筆頭と見られているからね」と呟くように言ってから、ポケットから煙草を一本取り出して口にくわえた。そして、ゆっくりとソファに座りながら、またその煙草をポケットに戻して話を続けた。

「殺害されたアンヘラさんは、革新派のグループ”ガウディ未来の会”
の中でもこれから五年先を見越したサグラダ・ファミリア継続建築のプラン作成に大きな影響力を持っていたんだ。サグラダ財団理事長の娘さん、ということもあってね」

佐分利は、口を挟もうとした私に、右の掌を軽く上げて、
「加納さんは、アンヘラさんと彼女を警戒するグループ”ガウディを伝える会”の長老たちとの間を取り持とうとしていたようだが、それが却って、彼女に反発する人たちに加納さんが警戒されることにもなったようなんだ。だから……」と言いかけて、彼の目がひときわ鋭い針のようになった。

更新日:2013-05-27 09:13:00 

10 初動

「だから、ひょっとすると」私はすかさず口を挟んだ。
「加納が俺を通じてお前に捜査を依頼したのも、あいつ自身の身に危険を感じたからに違いない」
「そうさ、な」佐分利は、こんなときいつも言う口癖を、何か思いつめたように吐き出して、私の顔をじっと見つめたまま一気に言った。

「まず、加納さんの警護にホセをつけた。彼ならガタイもでかいし押しもきく。日本語も大丈夫だしね。次に、サグラダ・ファミリアの工事現場に3か所隠しカメラをつけるようにジェラード警部を通じて頼んでおいた。それから、もう、ある人物に目をつけていてジョルディにその身辺を探らせている」彼には珍しく、これから起こるかもしれないことに不安を隠さなかった。

「あら、さすがサムライね。初動が早い」いつの間にか、事務所に入ってきていたのは、私と同様、佐分利に協力しているマリアだ。彼女は
「ドアが開いていたわよ。不用心ね。私のように外見は金髪、青い目でも日本語の分かるスペイン人がいるってこと忘れちゃだめよ」と悪戯っぽく微笑んだ。

「むさ苦しい男ばかりじゃ、事件もこじれる、ってこと。私にいい考えがあるの」
私と佐分利は顔を見合わせた。 

更新日:2013-05-30 12:54:35

11 マリア

マリアは、ここ佐分利探偵事務所の大家の娘だ。スェーデン人の母親がこのピソ(スペインの集合住宅)の経営をやっていて、母一人子一人の彼女たちはこの事務所の上に住んでいる。事務所設立当時は彼女はまだ中学生だったが、今はバルセロナ自治大学で日本学を学んでいる。
「せっかくの申し出だが、マリア、この事件はとても危険なんだ」と私は機先を制するつもりで彼女に片目をつぶって見せた。すると彼女は、間髪を入れず、、
「ケン、サムライさん、私にも手伝わせて。悪いけど今の話、全部聞いちゃった」と佐分利にその青い瞳を投げかけた・

「そうさ、な」佐分利は、さっきまでの難しい顔つきを緩めて、
「じつは、マリアにも役割を考えているんだ」と言ったものだ。私は不安を隠しきれず、思わず佐分利の顔を覗き込んだ。

                 
                                                        更新日:2013-05-31 14:35:27 

12 二度目の手裏剣
                                                         
 スペイン、いやヨーロッパ中を戦慄させたサグラダ・ファミリアの晒し首事件は、ジェラード警部率いる警察側の懸命の捜査にも関わらす、目立った解明の進展のないまま、まる一週間が過ぎようとしていた。そして、まさにその夜、佐分利の身辺にただならぬ出来事が起こった。

佐分利は住居兼探偵事務所の向いに剣道道場を開いているのだが、夜も十時を過ぎ、彼がいつものように道場の戸締りを確認して、事務所に戻ろうとした時のことであった。

背後からもの凄い殺気を感じ、とっさに地面に伏せた。閉めた道場のドアに鈍い音がして何かが突き刺さった。地面に伏せたまま顔を横ざまに僅かに上げた彼の目に映ったのは、あの手裏剣だった。

月明かりに黒びかりした十字状の刃物が、つい最近自分を襲った、あの手裏剣だとすぐ分かった。彼は地面に這ったまま素早く身構え、左脇と地面の隙間から後ろを覗くと、黒い影が事務所の前を走り抜けて事務所裏の雑木林へ通じる小道へ消えて行くのが見えた。
更新日:2013-06-03 14:56:49
 

13 雑木林の対決

                                                          
 佐分利は剣道の練習着のまま、とっさに竹刀(しない)を握り、黒ずくめの男を追った。彼の早朝のトレーニングの場である雑木林に、その男が逃げ込んだからである。あそこなら月明かりで充分動ける。勝手知った自分の雑木林だ。

暗闇を走りながら、三週間ほど前に自分を攻撃してきた黒ずくめの男を思い出していた。同一人物か、そうでなくともその一味に違いない。今さっき彼をかすめたものが手裏剣だとすぐに思ったのは、あの時、あの黒ずくめの男をみすみす逃してしまったことが彼の中で引っ掛かっていた証拠だ。

雑木林に入ると、すでに佐分利は懐の礫(つぶて)を右手で握っていた。竹刀は左手一本でも自在に操れる。雑木林は月明かりと事務所の明かりが漏れていて、身体能力に恵まれた彼が動くのに問題はなかった。

だが、これは黒ずくめの男にとっても同じことが言える。佐分利は息を止め、枯葉を踏まぬように木の根元から根元へと足を忍ばせながら、木々の上に目を遣った。前回襲撃された際、黒ずくめの男が枝になっていたのを覚えていたのだ。あの男が息を潜めても、並外れた直観力を持つ佐分利には、気配はすぐに分かる……

サムライは右手の礫を、その朽ちかけた"枝"の真ん中に音も立てずに放った。
                                                                             更新日:2013-06-06 14:19:09 
                                                                              

14 サムライの礫                                                         

 サムライの投げた礫は、その“枝”を真ん中からしならせた。その瞬間、むむ、という微かな呻き声を彼は聞き逃さなかった。続けざまに放たれた次の礫は、“幹”の瘤に鈍い音を立てて命中した。

ぐらりと落下しそうになったが、かろうじて本物の枝に左手の先を引っかけた黒ずくめの男は、ほとんど同時に右手から黒光りするものを放った。唸り声を挙げて顔を襲ってくるそれを、サムライは左手の竹刀で叩き落とした。またも手裏剣だった。

雑木林の暗闇にも目が慣れ、黒ずくめの姿が月明かりにうっすらと浮かび上がった。顔もすっぽりと頭巾で覆ったその男は、そのまま枝に掛けた左手一本で反動を付けて、一回転しながら奥の木に飛び移った。なんて奴だ。サムライは呆れながらも、礫の手ごたえを感じていた。素早く奥の木へ走り、黒ずくめを追い詰めた。明らかに右ひざを庇う動きに、黒ずくめの焦りさえ窺われた。

今回は逃がさない。その木を見上げたサムライは懐から二つの礫を取り出し、それを同時に放った。尋常の人間が投げつけた礫ではない。サムライの並外れた集中力が、驚くべき身体能力と相俟って、彼の右腕を振らせたのだ。そこから放たれた二つの礫は生き物のようにしなり、夜のどす黒い空気を震わせながら、黒ずくめの男の両足の膝に突き刺さった。むむ、という短く低い声が聞こえた。
更新日:2013-06-09 15:39:11
ninja3 katana senaka 

15 背中の刀身
                                                          
 間髪を置かず、サムライは右手を伸ばし、ひらりと跳んだ。そのまま太い枝に手を掛けエビ反りになったかと思うと、次の瞬間、黒ずくめの男のすぐ前の枝に飛び移った。

男は中央の幹の股に体を支えていたが、とっさに背中の刀身を抜こうとして右手で柄に手を掛けた。が、竹刀が唸るのが早かった。サムライの左手から撃ち込まれた竹刀の先が、肩越しに上げた黒ずくめの右肘を痛打した。男は動揺を隠せず、ちらと下に目を遣って、すっと姿を消した。

木の根元に跳び下りた男は、たまらず、うう、と呻き声を挙げて膝を抱えた。先ほどサムライの放った両膝への礫が効いていたのだ。男は、覆面の顔を僅かに上げ、木上のサムライの姿を確認すると、懐から何かを掴み投げつけた。それは、よけたサムライの足元で、ぼむ、と鈍く破裂し、一面に煙幕を張った。

ようやく暗闇に目が慣れていたサムライだったが、霧状の煙が男の姿を隠し、目にも刺激物が入り込んできた。彼は針のように眼を細め、下の黒ずくめ目指してムササビのように跳び掛かった。竹刀はすでに右手に持ち替えていた。
                                                                          更新日:2013-06-14 03:52:47 

16 黒ずくめと晒し首 

 左手でバランスを取りながら右手の竹刀を振りかぶって跳び掛かったサムライは、跳んだ瞬間に舌打ちをした。果たして、彼は虚しく落ち葉溜りの上に着地した。木の下に蹲(うずくま)っていたはずの黒ずくめの男は、すでにサムライの背後の暗闇に消えていた。

翌朝、探偵事務所を訪れた私に、昨夜の雑木林での出来事を、佐分利は渋い顔をして話してくれた。ポーカーフェイスの彼には珍しく、その表情には悔しさがありありと見て取れた。無理もない、自分の勝手知った雑木林で二度も捕り逃してしまったのだから。しかも、どうやら二度とも同じ人物らしい。

アームチェアーに沈むように座り、エスプレッソの小さなカップを左の掌に乗せて、右手の人差し指でカップの柄を押さえたまま、佐分利は急に目を針のように細くして黙った。こういう時の彼は、集中力が極限まで高められている。やがて、ゆっくり目を開き、その濃いコーヒーを飲み干すと、おもむろにこう言った。
「なるほど…」

「その黒ずくめの男に何か心当たりがあるのか」私はすかさず彼の思考の回路に誘い水を注入した。すると彼は、ついさっきまでの苛立ちが嘘のように話し出した。
「例のサグラダ・ファミリアの晒し首、あの首の切り口を覚えているか。あれほどの澱みのない切り口は、斧やナタではできない。日本刀で一振り、それも余程の腕でなければ、ああはならない」

更新日:2013-06-16 14:46:10 

17 サグラダの勢力争い

「そうすると、黒ずくめの男はサグラダの晒し首事件と関わりがあると…」私は佐分利の前の黒光りした大きなデスクに腰を掛けながら、彼の顔を見つめた。窓のカーテン越しに西日が差し、この探偵の頬をオレンジ色に染めている。佐分利はポケットから煙草を一本抜き取り、そばにあったブックマッチを引き寄せ、大事そうに火を点けた。そして、煙たそうに眼を細めて紫煙を燻(くゆ)らすと、再び口を開いた。

「サグラダの事件の背後には、前にも話したとおり、サグラダ内部の勢力争いが絡んでいる。晒し首となったアンヘラさんが所属していた”ガウディ未来の会”にはアンヘラさんの父であるサグラダ財団理事長がバックについていたが、サグラダ・ファミリアの実権を左右するのは理事長ではなく寧ろ役員団だ。その役員団のすべてが“未来の会”に警戒心を抱く”ガウディを伝える会”の主要メンバーだ。

そして、“伝える会”には以前から黒い噂が絶えなかった。アンヘラさんの祖父、すなわち財団理事長の父が五十五年前にサグラダ・ファミリアから転落死したセルヒオ・マルティネス氏も、“伝える会”の前身のグループに殺されたらしい。それから、私を二度も襲撃してきた黒ずくめの男は、どうやら“伝える会”に関係ある、と睨んでいる。
じつは俺はある人物と間違われて襲われたんだと思う。ある人物とは…」

佐分利はその左手の煙草の灰を落とし、しばらく間をおいてから、右手の親指と人差し指で拳銃をつくり、その銃口を私に向けて言った。
「お前だよ。高梨」
歌舞伎の大見得のように、その眼をギョロリと剥(む)いた。
                                     
                                              

更新日:2013-06-18 13:16:30 

18 人違い

「俺と?」
私は佐分利の顔をまじまじと見た。
「そうさ、な」
いつもの口調で言うと、彼は思わせ振りにニヤリとして言葉を続けた。

「お前の学生時代の悪友、サグラダの主任石工の加納公彦さんね。彼がアンヘラさんと彼女に反発する“ガウディを伝える会”の長老たちとの仲を取り持とうとしていたことが、逆に変なふうに取られて、長老たちから白い眼で見られるようになった。
それどころか、加納さんの身辺に何やら不穏な動きが何度かあったらしい。これは晒し首事件後、私が密かに加納さんの警護に付けたホセからの報告なんだけどね」

佐分利は短くなった煙草を灰皿に押し込めると、アームチェアーに寄り掛かって天井を向くようにして話を続けた。

「つまり、手っ取り早く言うと、黒ずくめの男は、その加納さんと親しいお前を襲うつもりで、ひと間違えで俺を襲った、というわけさ。加納さんの友人であるお前が例の晒し首事件の犯人捜しをしている、との情報を受けて黒ずくめがお前を抹殺しようとしているらしい。
これもホセからの連絡で分かったことだ。お前のお蔭で、俺は二度も命を落とすところだったんだからね」

こう言って私を再びギョロリと睨んで見せた佐分利は、今度は下を向いて、いかにも愉快そうにカッカと笑った。
                                                                          

更新日:2013-06-23 00:30

19 名刀

「ま、そういうわけで、君も身辺には注意したほうがいい」佐分利は顎を撫でながら私を上目づかいで見据えて言った。


「ところで、ゴシック地区にある忍術道場ね。あそこにマリアを通わせているんだ。彼女は父親の道場で小さい時から忍術を知っているから、すんなりと入り込めたよ。本気でやれば、あそこの道場では誰もかなわないだろうね」

「彼女の役割ってのは、それだったのか」いつものことだが、私は佐分利の行動の素早さに舌を巻いた。


「まあね。彼女は、あれでなかなか演技派だよ。すっかり道場の内部に溶け込んで、いろいろ情報を仕入れてくれている。日本刀の真剣の使い手とかね」そう言うと彼は、奥の小部屋に入り、すぐに、年季の入った紫色の細長い袋を持ち出して来た。それをデスクの上に乗せると、袋の中から大事そうに抜き出したものは、日本刀の真剣だった。


「親父から受け継いだ名刀だよ。ここでは美術品として届けてあるけれど、ときどきこれで素振りをやってるんだ」


更新日:2013-06-28 13:18

20 狂気と悪魔の握手

その刀身は八十センチほどある見事な太刀で、刀剣について素人の私が見てもその刃先の深い輝きや反り具合も絶妙のように思える。佐分利はさらに柄を外して茎(なかご)を見せた。そこには、出羽国住人大慶庄司直胤と銘が刻まれ、その下にシンプルな花押があった。さらに裏を見ると、文化十四年仲春とある。

 

サムライは幾分得意げに、

「江戸後期の名工の作品で、今だと三百万円は下らないだろうね。たしかに、こんなものを夜中に眺めていたら邪悪な何かが理性を葬ってしまいそうになるかも…」

佐分利はニヤリと私を見ると、茎(なかご)を柄に仕舞い、改めて抜き身の刀身を窓から差してくる木漏れ日にかざして言った。

 

「これはあの名刀、備前長船(おさふね)長光に倣ったものらしい。よく詰んだ小板目鍛えに、地の部分が薄らと雲か霞がかかったように見える。つまり名刀によく言われる特徴、地沸(じにえ)微塵に厚くつき乱れ映りが鮮やかに立つ、というわけだ。ま、良い刀だと思う」

刀剣にも博識ぶりを垣間見せて私を煙に巻いたかと思うと、真顔に戻り、日本刀を袋に仕舞いながら続けた。

 

「バルセロナ市に登録されている美術骨董品のリストを手に入れたんだが、私の他に三人が日本刀所持を申告している。これもすでにジェラード警部を通してルミノール反応を調べてもらったんだけど、いずれもシロだった。血を吸った刀ではなかった。そうなると考えられるのは、マフィアかその道のプロだ。頭部をあんなふうな切り口で胴体と切り離せるのは、相当な日本刀の使い手が躊躇せずに、ひと太刀で振り抜いた場合だけだ。憎悪に満ちた狂気が冷酷な悪魔の心と握手しなければできない仕業だよ」


更新日:2013-06-30 20:45

21 石工、加納の命

この日から三日後、サグラダ・ファミリアの主任石工、加納公彦に懼(おそ)れていたことが起きた。

 

 加納はその日、どうしても仕上げておきたい彫刻があった。

サグラダ・ファミリア「生誕の門」の中央に十五体の像を彫る仕事が、極東から来たこの若い石工に委ねられた。この彫刻が完成すれば、すなわち、生前のガウディ自身が建設を始めた「生誕の門」そのものの完成も成就することになる。言わば、ガウディの遺志を継ぐ者として認められた証しでもある。

 

これらの像は、聖家族の像のすぐ上に配置され、キリスト生誕を祝って歌を歌う九人の子供たちと楽器を演奏する六人の天使である。そのうちのハープを奏でる天使像が、最後の仕上げに入っていた。というよりも、もうすでに出来上がったも同然で、あとはハープを奏でる指先とそれを見つめる眼に命と魂を吹き込むだけだった。

 

加納は、天使像の眼の仕上げに掛かりながら、ガウディと同時代のカタルーニャの詩人ジョアン・マラガールの詩を思い出していた…

生誕の門は建築ではない

イエス降誕の喜びを永遠のもののように謳い上げた詩である

石の塊から生まれでた建築の詩である…

 

「石の魂。建築の詩…」と幾度か呟いていた加納にようやく会心の笑みが浮かんだのは、西の空も茜色に染まった頃だった。同僚たちは、すでに誰も残っていなかった。

「さて」と加納が立ち上がり、満足げな顔で改めて完成した天使像を見つめていたその時だった。ガタンと上のほうから嫌な音がした。


更新日:2013-07-08-00:34

22 鉄骨の落下 

サグラダ内部sagrada familia ferrer sxan kara no foto  

 それがガランとした高い天井に響くのとほとんど同時に

「クイダード(危ない)!」と聖堂内部に、とてつもない大声が響き渡った。加納は思わず両手で頭を覆い、転がるように壁側に身を寄せた。次の瞬間、2メートルはあるかと思われる鉄骨が凄まじい音を立てて加納の足元に跳ね落ちた。ホセが必死の形相で加納に駆け寄ってきた。

 

このガタイの良いスペイン人は、佐分利が密かに加納の護衛に付けていた男だ。

「大丈夫ですか?」ホセは悲痛な表情で加納を抱き起して叫んだ。

「大丈夫だ。ありがとう…」と加納は、足元に転がっている、今しがた自分を潰すところだった鉄骨をまじまじと見た。こんなものがまともに当たったら即死だったろう。そして、幾つもの足場が組み上げられた天井を見上げた。

…危ないところだった。しばらく鉄骨が落下してきた辺りを見上げていた加納は、思い出したように頬を膨らませてゆっくりと息を吐いた。

 

 この日のホセは他の石工や作業員が帰ってからも、密かに加納の身辺に目配りしていた。ちょうど生誕の門の希望の扉から聖堂内部に入って、加納の様子を窺っていたところに、あのガタンという天井に響く音を聞いたのだ。加納がどこも痛めていないことを確かめてから、ホセは内ポケットから携帯を取り出し、佐分利に電話した。

「サムライ、加納さんが殺されそうになった」


更新日:2013-07-13-00:04

23  やっぱりお前だったか

「もう来ているよ。ホセ」携帯を通した佐分利の声が、まるですぐ傍(そば)から聞こえてくる響きで、ホセは思わず周りを見渡した。すると聖堂内部への入り口である「希望の扉」が開いていて、そこにサムライが携帯を手に仁王立ちしていた。探偵事務所に出入りするジョルディも一緒だった。

 

 二人はすぐに駆け寄って来て、まだショックでしゃがみこんで茫然としている加納を見つめた。

「大丈夫ですか。加納さん」佐分利は加納の顔を覗き込むようにして言った。加納はまだこわばった顔のまま、佐分利に右手を少し上げて人差し指と親指で丸をつくって見せ、小さく頷(うなず)いた。

 

「ジョルディの知らせを受けて急いで駆け込んできたが、間に合わなかった。幸い加納さんは無事だったけど…」ここまで話して、佐分利は急に口を閉じた。そして目を針のように細め、黙って唇に人差し指を当てた。一瞬、四人の息遣いまでも消えた。佐分利は顔を能面のようにしたまま動かさず、右手の親指を立て、天井を指した。

 

聖堂内は作業場として使われていて、天井近くには幾つか足場が組まれている。四人は無言のまま、息を潜めて耳と目を研ぎ澄ませた。すると佐分利がちらっと足場付近に目を遣り、顔を動かさず野太い声を聖堂内に響かせた。それは決して声高ではないが、鳥肌の立つような威圧感があった。

「ペドロ。ペドロ・フェルナンデス・ナカモト。やっぱりお前だったか」


更新日:2013-07-20-00:33

24 天才剣士

すると、鉄骨が落下した傍に組まれている足場の最上部、その薄暗い天井付近の澱んだ空気が微かに揺れた。その空気の澱みに顔を上げて、佐分利は続けた。その声は高い天井にエコーのように響き渡った。

 

「あのサグラダ・ファミリアの晒し首の件と俺への襲撃の件を線で結んだとき、ピンと来たよ。お前以外の人物を考えることは難しい、ってことをね。六年前の天才剣士の成れの果てがこれか。弱冠十六歳で特別に参加を許された全欧剣道選手権の準決勝で、相手の喉を突いて殺してしまった。そして、同世代の誰もお前の相手でなくなったとき、俺のところに道場破りに来た。あのときは運よく俺が勝ったが、あれからお前は日本に行って武者修行を積んだらしいな」

 

ここまで言って、佐分利はニヤリと笑った。すでに夕闇が迫って薄暗くなっていた聖堂内だが、その笑みには微妙な緊張感が含まれていた。佐分利はジョルディが持ってきた竹刀袋から二本の竹刀を抜き出した。それを一本ずつ両手に持ち、仁王立ちになって声を上げた。

「さあ、その修行の成果を見せてくれないか。あの時、お前は少年だった。今度こそ本当の勝負をしよう。俺が負けたら、潔くこの事件から手を引こう。その代り、お前が負けたら真の剣士らしく、罪を償うんだ」

 

その声が聖堂内に響き終わり、しばらくの沈黙がその場の空気に耐えがたい緊張を走らせた。その張り詰めた空気をあざ笑うかのごとく、下の四人が見上げる足場付近から鉄管を伝って音もなく猫のようにスルスルと降りてきた男。全身黒ずくめの、あの男だ。佐分利からほとんど五メートルもない所に、この男は陽炎のように立っていた。


「ふふ。せっかくの提案だから、ありがたく受けさせて戴くよ」
こう言うと、男はおもむろに覆面に手を掛け、それをゆっくりと剥いだ。覆面の下からは蒼白とも見える能面のような顔が現れた。


更新日:2013-07-26-02:44

25  勝負

佐分利はその男に正対し、ゆっくりと歩み寄った。男との距離が三メートルほどに縮まったとき、左手に持っていた竹刀(しない)を上に放り投げた。竹刀はきれいな弧を描いて男の頭上で回転した。男は顔を佐分利に向けたまま、ちらと上方に目を遣り、右の掌を僅かに広げて落ちてくる竹刀の柄(つか)を掴んだ。と、その瞬間、男の身体がツツと一メートルほど佐分利に向かって移動した。男の上半身は竹刀を受け取ったときのまま何のブレもなかったので、まるで男の背景だけが後ろに移動したかに見えた。しかし、佐分利もほとんど同時に素早く後退りし、三メートルの間合いは変わらなかった。

 

すると男はだらりと下げていた竹刀の先を佐分利の鼻先に向けた。佐分利は依然として竹刀の先を下げたまま、男の口元の辺りを視ていた。対峙した二人の影が天井窓から漏れる薄い陽で長く尾を引いている。そのまま壊れた絡繰(からく)り人形のように動かなくなってから、どのくらい経ったであろうか。一筋の汗が男の頬から首筋に伝ったとき、その口元が微かに綻(ほころ)ぶと、男は再び一気に間合いを詰めて、次の瞬間、飛鳥のように舞い上がった。舞い降りながら竹刀を振り下ろそうとしたが、そこに佐分利の姿はなかった。当然後退りしているはずの佐分利は、逆に厳しく間合いを詰めていたのだ。

 

ふわりと舞い降りた男は、とっさに右足を軸に気配を感じた後ろを振り向きざまに、竹刀の先を左下から斜めに切り上げた。その時初めて聖堂内に響き渡る叫び声を発した。それは鶴の求愛の叫び声に似ていたが、聞くものの心を凍り付かせるものだった。その叫び声が低い呻き声に変わったのは一瞬のことだった。男の竹刀は乾いた音を響かせて叩き落とされていた。次の瞬間、男の右手首に激痛が走った。佐分利の上段からの渾身の一振りが男の竹刀を叩き落とし、そのまま返しの一太刀で男の右手首を切り飛ばさんばかりに撥(は)ね上げたのだ。


更新日:2013-08-02-19:28

26 二天一流

「勝負あったな」佐分利は呟くように男に言った。男は無言のまま左手で右手首を押さえていた。叩き落とした竹刀を佐分利が拾おうとしたその瞬間、男が右手を肩越しに背中に廻した。男の背中には真剣の太刀が括られていた。

 

「サムライ、気をつけて!」聖堂内に悲鳴のような女の叫び声が響いた。その叫び声よりも先に佐分利は動いていた。凄まじい殺気を感じた佐分利は、その驚くべき動物的勘と身体能力で右足を軸に男の左側から数メートル横っ飛びしていた。そして、二刀流のように二本の竹刀をハの字に構えて男に正対した。

 

 叫び声の主はマリアだった。私とマリアはさっきから聖堂入り口の門の陰で様子を窺(うかが)っていたのだ。私はジョルディからの連絡で探偵事務所にいたマリアを連れてここに駆けつけて来ていたが、すでに佐分利と男の勝負が始まっていて、その緊迫した空気に聖堂内に入るに入れなかった。今、二人の対決が再び始まろうとする不気味な沈黙の中、私とマリアはジョルディたちのいる所まで一気に駆け寄った。

 

 真剣を抜いた男の眼を見据えたまま、佐分利は二刀流中段の構えで間合いを取っていった。ハの字に構えた二本の竹刀は、次第に両の剣先が交わり十字の構えに移っていく。その十字の剣先を男の薄墨で引いたような表情のない眼に合わせた。男は、真剣の太刀を右手にだらりと提(さ)げたまま、じりじりと後退りしていく。その表情には不敵な笑みを浮かべているが、佐分利の二刀流が男に戸惑いを与えているようだ。

 

佐分利は日本を出ることが決まった時、父から宮本武蔵が開いた二天一流を教わった。二刀流を心得ていれば逆に一刀で戦う意味が分かってくる、という父の言葉を覚えている。利き腕でない左手一本でも戦える技術はその時に習得した。読まれまいと細めた男の眼の動きに、微かな戸惑いが生じたのを佐分利は見逃さなかった。ススッと滑るように男との間合いを詰めると同時に、右を上段に構えた。

 

その動きに男がアッと思った瞬間、佐分利の右手から竹刀が矢のように放たれた。男は眼前に飛んできた竹刀をすんでのところで逆袈裟(けさ)切りで払い上げた。その一振りが男の態勢に隙を生んだ。すかさず佐分利は怒涛の勢いで男との間合いを一気に詰めると、左手の竹刀の剣先が男の右眼を目掛けて呻(うな)りを挙げた。

更新日:2013-08-10-01:24

27  真剣勝負

とっさに男は逆袈裟(けさ)切りで振り上げた右肘で、佐分利の竹刀の剣先を払って右に体(たい)をかわした。佐分利の剣先は辛うじて男の右眼から外れて頬骨をかすめたが、勢い余った佐分利の態勢は男の返す一太刀に無防備にも見えた…「健!」マリアの悲鳴が聖堂に鳴り響いた。男に対してほとんど横向きになった佐分利健はしかし、予想もしなかった動きを見せた。なんと左手の竹刀も放し、丸腰になって男の右脇腹に組み付いたのである。

 

まったく想定外の佐分利の動きに、組み付かれた男は「ウッ」と鈍い声を発して足掻(あが)いたが、堪らず冷たい聖堂の床に左手を突き、真剣を持つ右手も佐分利の頭に右脇を突き上げられ動きが封じられていた。その隙を逃さず、佐分利は組み付いた腕を解いて左足で強く床面を蹴った。ふわりと舞った佐分利は男の後方数メートルに降り立つと、腰を落とし素手の両手を構えたすでに男は立ち上がり、佐分利に正対して右手の真剣を中段に構えていた。

 

 聖堂に再び緊迫感が漂い始めたその時、

「健!」マリアが鋭く叫び、佐分利に向けて何かを放った。佐分利は男に正対したまま、視界に入って来たそれを右手で掴み取った。刀剣だった。急を聞きつけてマリアが佐分利の探偵事務所の奥の部屋から、あの出羽国住人大慶庄司直胤の太刀を持ち出して来ていたのだ。佐分利は男に正対したまま、その刀身を抜いて鞘を私に投げ返した。

 

一瞬私と目があったが、すぐに針のような鋭い眼で完全に男の動きを捉えていた。男は中段の構えからゆっくりと上段に移し、じりじりと間合いを詰めて来た。息苦しいくらいの張りつめた緊張感が聖堂内を凍り付かせた。真剣を抜き合っての、かつてない佐分利の勝負を目の当たりにして、私の動悸の激しさは極限に達していた。


更新日:2013-08-18-19:10

28 下段白眼の技

 佐分利はずしりと重い真剣の感触を確認するように、柄に掛けた両手を握り直した。真剣で勝負したことはないが、普段から真剣での構えと振りの稽古を怠らなかった。それは少年時代から父の厳しい指導の一環だった。道場での稽古が終わった後でも、必ず探偵事務所の奥で真剣と向き合っていた。竹刀や木刀と違って、真剣で構え振りを繰り返す稽古の中で、心身の奥のほうから自分でも慄(おのの)くような集中力が吹き出してくるのを覚えるのである。その成果が文字通り真剣勝負という形で試される日が来ようとは、佐分利自身も思ってもみなかった。

 佐分利は愛刀を下段に構え、その剣先をゆっくりと踏み込んだ右足先に向けた。男はちらりと佐分利の剣先を見遣ったが、上段に構えたまま能面のような表情を崩さなかった。じりじりと間合いを詰めてくる男に、佐分利は測ったように後退りし、二人の間は見えない棒で閊(つか)えているかのように変わらなかった。間合いを保ったまま後退りする佐分利がぴたりと止まった。その時、佐分利の左後方にある明り取りの小窓から暮れなずむ陽光が差し込んでいた。

下段に構えている佐分利の刀身が微かに右に傾いた。すると愛刀、出羽国住人大慶庄司直胤の太刀は明り取りから差し込む陽光を集め、男の細い眼に反射した。佐分利の愛刀は眩(まばゆ)い白い光の束となった。男が一瞬眉をひそめたその瞬間、佐分利が鋭く男の右に踏み込んだ。男も猛然と踏み込んで来て、二人の太刀が下と上から袈裟がけに閃光を放った。二人が交差して互いの位置が入れ替わった。

二人は背中合わせのまま、しばらく時が止まったかのようだった。と、佐分利の左肩から赤いものが垂れ落ちてきた。ほぼ同時に、男のほうは青ざめた能面の顔を歪めた。次の瞬間、長く尾を引いた男の影はグラリと揺れた。男は「むむ」と鈍く呻き、堪えきれず右膝を床に突き、右手の太刀の柄頭(つかがしら)で床を突いて、辛うじて身体を支えた。そして、そのまま右に転がるように崩れ落ちた。
 

 佐分利は父から伝授されていた北辰一刀流の「下段白眼」の技を使ったのだった。

更新日:2013-08-28-12:01


29  何という男だ 

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「健!」マリアが佐分利に駆け寄ろうとした。佐分利は左掌をマリアに突き出して待ったをかけた。そして右手の真剣の剣先を挙げると男に近づき、倒れた男の右手から僅かに離れた刀剣の柄を左手で握って拾い上げた。男の剣先には赤いものが滲んでいた。二人が交差した時に佐分利の左肩を引っかけた跡だ。男の刀剣を握り直して、そこで佐分利は初めて「ふー」と息を吐いた。それから、マリアたちのほうを見てやっと安堵の表情を見せた。

 

 私が駆け寄り、佐分利から二本の刀剣を受け取った。すると、佐分利は放心したようにその場に座り込んで右手で左肩を押さえた。

「傷は深いのか?」私が声を掛けると、

「いや、大したことはない」佐分利は苦笑いをつくってみせた。いつの間にか傍に来ていたマリアがハンカチを取り出して、素早く佐分利の脇から肩へ巻いて強く結んで止血をした。佐分利は一瞬顔をしかめたが、思い直したように「よしっ」と自分に言うと、むっくりと立ち上がった。

 

そして倒れ込んでいる男のほうに目を遣って、

「峰打ちだ」と呟いた。見ていた者には全く分からなかったが、佐分利は切り込んだ際に刀剣が男の身体に届く寸前で刃を返したのだった。この凄まじい切り合いの中で、何という男だ。私はいつもながら、この佐分利という男の胆力の強さと冷静さに舌を巻いた。

「しかし、あばら骨の数本は折れているだろうから、すぐ病院に運んだ方がいい」佐分利はこう言って、私が鞘に納めて渡した愛刀を愛おしそうに見つめた。

 

更新日:2013-09-09-01:39

30 黒幕


 翌朝、十時には私は佐分利の探偵事務所にいた。佐分利の肩の傷は昨日のうちに病院で治療したが、幸い大事に至らなかった。今朝は、例によってこの男は何事もなかったように、涼しい顔をして古びた黒いデスクの前で電話応対していた。

「浮気調査だよ。こういうのも地道にこなしていかないと大きい依頼も来ないからね」

サムライは受話器を置くとこう言って、デスクの前のソファに腰掛けていた私に片目をつぶって見せた。

 

「で、あの男はアンヘラさん殺しを認めたのか?」私はせっかちに事件の話に持っていった。

「今朝早くからジェラード警部と電話で話したんだけど、あの男、ペドロは何も言ってないらしい。もっとも彼はあばら骨が二本折れていたから、本格的な取り調べはまだできないけどね。ま、たとえ黙秘しようと、彼を追い詰めるのは難しいことじゃない、とジェラード警部は言っていたし…」

ここまで言って、佐分利は急に椅子から立ち上がると窓際に近づき、薄いカーテン越しに外を見遣った。目は例のごとく、針のように細く鋭く光っていた。窓の外は鬱蒼と茂った雑木林が広がっている。

「気のせいか…」佐分利はしばらくそのまま雑木林の奥の方を見つめていたが、何かを吹っ切るように、今度は私の向かいのソファに深々と身体を沈めた。

 

「誰かいたのか?」私が彼の目を覗き込んで言うと、

「いや、気のせいだったようだ」とちょっと照れくさそうな目をして、話を続けた。

「問題は誰がペドロを利用したか、ということだ。五十五年前にサグラダ・ファミリアから落下死したセルヒオ・マルティネスさんの話、覚えているだろう。今回晒し首にされたアンヘラ・マルティネスさんのお爺さんだ。そのセルヒオさんをサグラダ・ファミリアから突き落とした犯人とアンヘラさん殺しの犯人は何らかの関係があると俺は睨んでいる」

 

佐分利がこれほど一気に確信に触れてくるとは、私も予想していなかった。

「じゃ、やっぱり、あのグループガウディを伝える会”のメンバー…」私は思わず掌で我が口を抑え込んだ。声が大きすぎた、と思ったからだ。どこで誰が聞き耳を立てているか知れたものではない。私の慌て振りに佐分利は声を殺して笑った。そして、ギョロリと目を剥くと、一段と低い声で吐いた。

「必ず追い詰めてやる」

 

「目星はついているのか?」私はさっそく水を向けた。

「そうさ、な」佐分利は勿体ぶるように眉をうごめかした。ソファから立ち上がり、ゆっくりとまた窓際まで近づきカーテンの隙間から外を見遣ってから、私を斜め見して再び口を開いた。

「マリアを潜り込ませた。彼女はあれでなかなか機転が利くしね。いろいろと情報を集めてくれるだろうさ」

「彼女ひとりじゃ危なくないか?」

「大丈夫。彼女は優秀な「くの一」、女忍者でもあるし、いざとなったらホセもいる。ジョルディもすぐ駆けつけられるようにしてあるさ」


「俺にも何か手伝わせてくれよ。身体がなまってしょうがない」私が首を左右にひねって見せると、佐分利は例の細い眼を向けて私に近づき、耳元で囁いた。
「今夜、サグラダ・ファミリアに忍び込むぞ」

更新日:2013-09-25-05:15

31  狼男より恐ろしい奴

狼男より恐ろしい奴 20101117022814da5

その日の夜11時過ぎ、警備員の最終見回りが終わった頃、サグラダ・ファミリアの「生誕の門」を見上げている二人の男がいた。濃紺の夜空に突き刺さるように聳(そび)える怪物の触角、その横に輪郭の滲んだ月が場違いな明るさを振りまいている。秋も深まったというのに妙に生暖かい風が二人を包み込んで、私も何か背筋を舐められたような薄気味悪さを感じていた。

「狼男でも出てきそうな夜だな」堪らず私はおどけた調子で佐分利に囁いた。彼は細めた眼を生誕の門の入口の扉に移しながら、

「狼男より恐ろしい奴に会えるかも知れないぞ」と声を立てずに笑った。

 

私も無意識に佐分利の視線の先に目を遣ると、入口の扉がほんの僅か開いて、中から手招きする影が見えた。佐分利はすでに扉の方に歩き出していた。私も足早に扉に向かいながら、扉の陰の人物を見定めた。案の定、マリアだった。

 

マリアは我々を迎え入れると、人差し指を口に当て、悪戯っぽく目で合図した。電気は点けず、彼女は懐中電灯で我々を門の奥へと導いた。前もって佐分利と綿密な打ち合わせがされていたようだ。どうやら尖塔のほうへ行くらしい。エレベーターは使わず、螺旋階段を登り始めた。何回ぐらい螺旋を廻っただろうか。できるだけ足音も抑え、沈黙のまま階段を登っているうちに、何度目かの踊り場でマリアが立ち止まった。

 

佐分利とマリアはさすがに毎日剣道と忍術の稽古をしているだけあって少しも息の乱れはないが、私は自分でも分かるほど息が切れていた。不意にマリアがその踊り場の壁の前でしゃがみ込んだ。床と壁の下の僅かな隙間に何やら針金状の物を差し込んで、数秒の間カサカサと指先を動かして集中していた。作業が終わったらしく、彼女は立ち上がり、徐(おもむろ)に両手を壁に当ててゆっくりと押した。

 

すると、どうだろう。踊り場の壁の一面が動き、壁の中央を縦軸にして絡繰り壁のように僅かに回転したではないか。開いた僅かな壁の隙間を更に広げ、人ひとりが通れるほどに開けたところで、佐分利がマリアの肩に指先で合図した。まず彼が隙間に体を入れて、こちらを振り向き、軽く頷いてから向こうの闇に消えた。彼は腕時計に仕組んである懐中電灯を点けて、残る我々を迎え入れた。

 

やがてマリアが部屋の灯りを点けた。四畳半ほどの部屋には中央に大きなテーブルがあり、その周りには書棚が取り囲んでいた。

「驚いたね、こんな隠し部屋があるとは」私は思わず感嘆の溜め息をついた。

「サグラダ財団理事長のイニャキ・マルティネスさんしか知らない部屋よ」マリアは軽く片目を瞑って見せた。

「さて、マリア、例の見取り図を出してくれ」佐分利はあくまで冷静だった。彼とマリアの間では、すでに今晩ここで何が起ころうとしているのか全て分かっているようだ。佐分利が言っていた「狼男より恐ろしい奴」とは何者なのだろうか…。


更新日:2013-10-18-14:03


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