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日本語のエッセンス(12)日本語教師を目指す皆さんへ
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(*写真:かなり前の北浦和研修会で世界の各地から来た参加者たちと。皆さん元気かなぁ)


日本語のエッセンス(12)日本語教師を目指す皆さんへ

 

 海外に暮らしていると、どうしても日本を鳥瞰的に見てしまいます。つまり地球儀の上のちっぽけな日本列島が目に浮かび、つい「しっかりしろ、日本」となるのです。同様に、日本語教師としては、日本語を英西独仏などの他の言語と比べて「しっかりせよ、日本語」と言いたくなるときも少なくありません。

 

しかし、別に日本語に罪があるわけではなく、この豊穣な言語を使いこなせないでいる我々自身に責任がある訳です。

真の国際化時代を迎えつつある今日、日本語は他の大言語と比べてもその存在価値は極めて大きい、ということを日本人自身が再認識することが先決のような気がします。

 

 私が住んでいるバルセロナはカタルーニャ語(方言ではありません)とスペイン語の両方が公用語です。街の表示の類もこの両言語が併記されています。長い間使用を禁止されていたカタルーニャ語を今ここの人々は見事に復活させています。

 

小さな子供達にとっては二つの言語を勉強するのは負担になっているかもしれませんが、カタルーニャの人々は自分達の言語を守り伝える大切さを「カタルーニャ語は我々そのものだ」という表現で語ります。言語は最大の文化であり、自分達の存在を証明する唯一のものだと主張します。 「自分達の母国語が禁止されたり消滅するかもしれない」という恐怖を味わったことのない日本人の私には、目を開かされた思いでした。

 

  英語が世界の共通語になりこれからは英語だけを勉強すればよい、といったような情報は、ヨーロッパその他の地域での言語をめぐる争いを目の当たりにすれば、錯覚に過ぎないことがわかります。どの言語も掛け替えのないもので、その中でも重要な言語はネイティブ以外の人にも広がっていく、と思われます。なぜなら、言語を学ぶことはその文化を知る最良の方法であり、多文化を共存・交流させていくのが国際化時代の方向だと思われるからです。

 

  私のところで日本語を勉強しているスペイン人の多くは4カ国、五カ国の言語を勉強しています。「もはや日本語はもっとも重要な言語の一つ」というのが、新たな国際化の波を敏感に感じ取っている彼らの意見です。時代をきちんと見れば、日本語教育の重要さが確認できると思います。世界に日本を伝える大切な仕事、日本語教師をめざしている皆さんにエールを送ります。

 

日本語教師も教師です」と新人教師に言うと、ほとんどが不意を衝かれたような、あるいは困惑した顔をします。日本語についての知識や教授技術は、この「教師としての人間性」が土台になければ、現場では何の役にも立たないものだと思います。いままで自分が生徒として出会った先生達の顔を思い浮かべると、分かりやすいと思います。「この先生のもとで頑張ろう」と勉強する意欲が出てきた経験があれば、その先生のイメージを思い出すことから始めるといいと思います。もちろん好き嫌いの要素は絡みますが、生徒がその先生の「教師としての人間性」に触れたときに、学習意欲が引き出されるのではないでしょうか。我々日本語教師の最大の仕事は学習者の「学習意欲をいかに引き出すか」、ということだと私は考えています。

 

(私のところに時々「海外で日本語教師をしたいが…」という相談が寄せられ、同じような悩みを持っている方々のために、今回個人的に返事を出したものとほぼ同内容の文章を投稿しておきます。この方は、日本語教師の資質に「明るい性格」を求められることに戸惑いを感じているようです。)

 

 初めに、自分の行きたい国・地域はどこなのかをしっかり見定めることが、これから私の言うすべての前提になります。私の場合も、まずスペインに惚れたところから始まりました。 海外で仕事をするには「心身ともにタフ」であることが第一条件だと思います。海外で日本語教師という仕事をするには、当然ながら更に「教師としての人間性の涵養」「日本語についての専門的知識」「現地語の習得」などが必要ですが、何と言っても「少々のことでは壊れない心と体」が求められます。 日本でよく求められる「明るい性格」は決して日本語教師の絶対条件とは言えず、むしろ極めて日本的な採用条件ではないかと思います。様々なタイプの日本語教師が居て良いのではないでしょうか。

 

 海外で生活していると、自分が紛れも無い「日本人」であることに嫌でも気付かされ、日本という国、日本文化、そして日本語について深く考えざるを得ないでしょう。そして、異国の地で仕事をすることは物の考え方・視野が広くなる良い機会であることは間違いありません。自立した一人の人間として自分の長所を信頼し、それを生かしたタイプの日本語教師を目指し、夢の実現へ向かって努力してみて下さい。最後にもう一度、海外へ出る前に「心身の鍛練」を忘れずに。陰ながら応援しています。

 

 日本は東洋にありながらすでに西洋にどっぷりと足を突っ込んでしまっています。その西洋社会も行き詰まりを見せ、新しい価値観を求めて東洋、とりわけ日本に高い関心を示し始めています。東洋の黄色人種である日本人の私が、プライドの高いスペイン人を相手にヨーロッパの国際都市バルセロナで「外国語としての日本語教育」を始めたのは、新しい鼓動を伝え始めた国際社会を強く意識したものでした。

 

 私は日本語教師という職業にレベルの高い役割を要求しています。日本語・日本文化を伝えるプロであると同時に「真の国際化」の担い手として将来の日本の国際社会との関わり方をも左右する重要な存在だと考えています。 私の捉えている日本語教育のイメージが、現時点では、一般の日本人の日本語教育に対して持つイメージとかけ離れていることは充分承知しています。しかし、新しい国際化の波は、すでに国語・日本語関係のお偉方や日本政府の「外国語としての日本語教育」への意識を変えざるを得ない時期に来ている、と私は思っています。

 

 多文化・多言語の共存を模索する「真の国際化」が進む中で、「日本語・日本文化を国際社会の共通財産に」という外国人達の声に応える準備ができていないことは、我々日本語教師の責任でもあるでしょう。充実しているとはお世辞にも言えない現行の日本語教育の環境を、実質的に改善していくには、日本語教師自身が動かなければなりません。

 

私の経験から言っても、国語・日本語教育関係のお偉方に期待はしても当てにしていては、何も変わりません。自分自身が動いた分しか世界は変わらない、と思ったほうがいいでしょう。

しかし逆に考えると、これだけは言えます。世界は自分が動けば、その動いた分だけ変わる可能性が確実に広がる、ということです。いま世界は日本語や日本文化という価値観を必要とし始めています。

 

そういう意味でも「日本語はいかが?」と世界中にこの魅力的な言語を売り歩く人たち、そして、そうした日本語教師や国際交流を目指す人たちに、おおいにエールを送りたいと思っています。



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