新しい記事を書く事で広告が消せます。

スペイン広場からモンジュイックの丘へ続く階段は、かつて私の「ロッキーロード」だった。バルセロナマラソンの12キロコースで1時間を切ることを目標に、この階段を駆け登って練習したものだ。参加10年目の挑戦でギリギリだったが目標を達成した。この大会への参加は1度目のバルセロナ滞在の最後の年1998年まで11年間続いた。
それから7年経ち、その思い出の階段を上っていくと噴水があり、歩を進めて上へ行くと人口滝があり、さらに上へ登っていくとカタルーニャ美術館が周囲を睥睨(へいげい)するように威風堂々とそびえ立っている。その美術館前から下を望むと、バルセロナ市内が一望できる大パノラマが堪能できるのである。
美術館前から右手の小径を抜け、「スペイン村」へ続く道を歩いていく。すでに黄昏どきになっていた。スペイン村はスペインの名所を本物よりサイズを小さくしたものを1箇所に収め、すべて見物して回れるようにしてある。今回は散歩のついでだから、中には入らないでそのまま坂道を下って「スペイン広場」に戻ることにした。
広場に着いて、モンジュイックの丘を見上げると、暮れなずむ年末の空に翼を広げて丘を抱くようなカタルーニャ美術館がまた姿を見せる。広場にはイベント用の大スクリーンがあちこちに備えられてロック演奏が映し出されていた。その情景を背に、さっき来た道を帰る。西の空はオレンジ色に染まっていた。
- 関連記事