2017/11
≪10  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30   12≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
日本人のための「日本語のエッセンス」第26章「国民総背番号制度」はなぜ「マイナンバー」と呼ばれるか?:カタカナ語の功罪

写真はバルセロナ中心街でのスケッチ


日本人のための「日本語のエッセンス」第26章「国民総背番号制度」はなぜ「マイナンバー」と呼ばれるか?:カタカナ語の功罪

 

 

日本の街で売られている花の名前などは、「胡蝶蘭」「釣舟草」「四季咲き」などせっかく美しい日本語名が付けられたものを、「ファノレプシス」「インパチエンス」「セルペルフローレンス」と英語を通ったギリシャ語をさらに日本のカタカナ発音に置き換えた奇妙な名前になって表示されている。



日本語名で見れば、中学生でもどんな姿の花かどんな特徴を持った花か、およそ思い浮かべることができるのに、なぜ、わざわざ意味の分からないような名前にするのか。やはり、日本語名で店頭に出したのでは売れない、ということらしい。

 

逆に考えれば、カタカナ語名で出せば売れる、というのは一般日本人の価値観、判断力のレベルが測られていることにもなる。花だけではなく、ほとんど全ての商品に対して、なんとかカタカナ語を使って購買心を煽(あお)ろうとしている節が見られる。



気がつくと何やら西欧の香りがしそうな奇妙なカタカナ語に釣られていそいそと買ってしまっている、ということにもなりかねない。黒船来航に驚いてから随分時代が過ぎたというのに、いまだに「舶来」に弱い日本人の、笑えない事実である。

 

だが、日本語を真面目に学んでいる外国人学習者にとってみれば、「自前の母語、日本語があるのに何故不必要に英語なんかを使うのか理解に苦しむ」ところであり、日本語以外に奇妙な英語紛(まが)いの言葉も覚えなければならず、迷惑千万なのである。



しかも日本に入ってきた外来語はたちまち原語の姿と意味が見えなくなるから、たとえ英語話者でもそれが英語から来ているとは信じ難いものになってしまっていることが多い。ひょっとすると我々現代日本人は、「万葉」以来先人が培ってきた言語感受性を食い潰しているのではないだろうか。

 

カタカナ語にも利点がないわけではない。話の中身を正確に伝えたくないとき、ほんわかした曖昧な雰囲気に包んで相手を煙に巻きたいとき、重々しい内容や権威を軽薄で茶化した感じにしたいとき、などにカタカナ語は有効である。



「国民総背番号制度」と言うと何やら危険な匂いもし、身構えてしまうが「マイナンバー」とカタカナ語にすれば、あ~ら不思議、満更でもない制度に見えてくる。



「センセイ」或いは「センセー」と呼ばれるに相応しい当の似非(えせ)政治家や似非学者が「困ったときのカタカナ語頼み」になったときは、深遠なる企(たくら)みがある、と思ったほうが良い。

 

ということで、「先生」も「センセイ」とカタカナに置き換えれば、「センセイと呼ばれるほど馬鹿ではない」と言う時の感じになる。

さて、この「センセイ」をさらに「センセー」と発音する件について考えてみたい。

 

 「電子mail」は出始めの頃、カタカナで「メイル」かそれとも「メール」か、と論議を呼んだが、どうやら「メール」が優勢なようだ。しかし、「ペイント」「スペイン」「ケインズ」などは「ペーント」「スペーン」「ケーンズ」にはならなかった。





英語の場合、もとが二重母音なのだから、
May Day なども理屈からすると「メイデイ」と表記してしかるべきなのだが「メーデー」のほうが優勢だ。 data, elevator も「デイタ」「エレベイタ」でなく「データ」「エレベーター」が一般的なようだ。

 

さて、今日の「外来語の表記」は、平成三年の内閣告示第二号で示されたものが「よりどころ」となっている。

<一般の社会生活において現代の国語を書き表す」ための「外来語の表記」のよりどころを、次のように定める。>

と記し、長音については次のように定めている。

 

[Roman3 ] 撥音,促音,長音その他に関するもの

3 長音は,原則として長音符号「ー」を用いて書く。

2 「エー」「オー」と書かず,「エイ」「オウ」と書くような慣用のある場合は,それによる。

〔例〕 エイト ペイント レイアウト スペイン() ケインズ() サラダボウル ボウリング(球技)

 

つまり、「メイル」か「メール」か、というのは飽くまでも「慣習」の問題らしい。

 

では「メイル」と「メール」の発音はどうなのか。

カタカナは表音文字として使われ、発音のための日本の文字と誓いしていいだろう。使われるのだから、「メイル」は「m[ei]rum[

 

カタカナ語や英語の略語にして失敗だったのは、深刻な社会問題をカタカナ語にしたために「軽く薄く」あるいは中身とは逆に「なにかわからないが」「なんとなく」「いま流行りのカッコイイ」ものとして心的作用した命名である。

 

「ディーブイ」(DV, ドメスティックバイオレンス)などはその典型であろう。なぜこんな日本語に翻訳しやすい言葉をわざわざ「ディーブイ」などと言うのだろうか。そもそも「ディー」などという発音は日本人が苦手とするもので、年配者などは口にするのも面倒な発音なのではないか。



こうした深刻で重大な事柄は誰もが「発音しやすく」「意味の分かりやすい」言葉にしなければ問題解決の端緒にもつけない。

 

domestic violenceとは家庭内における暴力行為。要するに家庭内暴力である。これを近年、特に、配偶者や恋人など近しい関係にある異性への暴力の意味として特化したのだろうが、却って分かりにくく軽い響きになってしまっては元も子もない。

 

「セクハラ」「パワハラ」「ハザードマップ」最近では「マタハラ」なども同じで、お粗末なカタカナ語や英語略語で表されることによって、その事柄の深刻さ重大さが隠れ、本質的な解決に向かいにくくしているのではないだろうか。


こうした事柄の表現にこそ「日本人の日本語力」が試されているのである。

 

こうしたカタカナ語が頻繁に使われる事件や事故のニュースを耳にしたとき、どうしてこんな命に関わる重大なことに軽薄さを植え付けかねないカタカナ語を使うのか、と思わざるを得ない。



 <↓クリックすると関係ブログが見られます>
にほんブログ村 旅行ブログ スペイン旅行へ にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ

 

 

 


関連記事
スポンサーサイト

tag : 国民総背番号制度 マイナンバー カタカナ語 日本語 国語 日本語教育

 
Secret
(非公開コメント受付中)

バルセロナの情報&コミュニティサイト「バルセロナ生活」
Living in Barcelona, Spain 世界各国/地域に1サイトのみの海外日本人向けのサイトのバルセロナ版です。 読者による投稿型サイトなので、皆さんの投稿で出来上がっていきます。
最近の記事
カテゴリー
プロフィール

黛 周一郎Shuichiro Mayuzumi

Author:黛 周一郎Shuichiro Mayuzumi
Centro de japonés
NAKAMA-ASOCIACIÓN PARA EL FOMENTO DEL INTERCAMBIO CULTURAL HispanoJaponés

FC2掲示板
FC2カウンター
連載「バルセロナの侍」「スペイン語を一か月でものにする方法」など
①小説「バルセロナの侍」 ②言語習得「スペイン語を一か月でものにする方法」 ③旅行記「ガラタ橋に陽が落ちる~旅の残像」 ④エッセイ「人生を3倍楽しむ方法 - なぜ日本を出ないのか」 を連載しています。
にほんブログ村
<↓クリックすると関係ブログが見られます>
にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ
にほんブログ村 旅行ブログ スペイン旅行へ
にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村 旅行ブログへ
人気ブログランキング
PC2ブログランキング
FC2 Blog Ranking

FC2Blog Ranking

ブログ王
QRコード☛このブログのアドレスをケータイやスマホでメモできます。
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Publicación 出版著書 La esencia del Japonés
     ”La esencia del Japonés'      - Aprender japonés sin profesor     『日本語のエッセンス』ーひとりでまなぶにほんごー                    ↓
ブログ内検索
ブログ内記事リスト&リンク
By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。