2017/05
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日本語教室(バルセロナ)から(12)60点の授業を心掛ける

(*写真: 学生たちとバーベキュー。顔は小さく写してくれよ、君たちはずるいよ、後ろに下がって自分たちだけ小顔に写って、と言ったら、彼らは腹をよじって笑い転げた)


日本語教室(バルセロナ)から(12)60点の授業を心掛ける

 

何だか気分が良い。何をやってもうまくいき充実感がある。そういう日がある。気分良く過ごせる、その理由を考えてみると、ああ、そうか、と思い当たる。その日の日本語の授業が「うん、今日はまあまあの授業だったな」と自己評価できた日の心の状態である。

 

「まあまあの授業」と自己評価できる日はそうそうあるわけではない。この「まあまあ」は自己採点すれば60点の授業である。大抵は授業のあと、「なんだかなあ…」という気持ちになっている。こういう授業の自己採点は50点。

 

授業をしている自分も受けている学生たちも何かにとり憑かれたように2時間の授業に集中し、教師と学生とのテンポの良い遣り取りの中にもウイットとユーモアを自然に楽しみながら、学ぶことに心躍らせているうち、アッという間に終わる。

こんな、1年に一度あるかないかの授業。「おお、今日の授業はやったな」と自分でも、してやったりと、北叟(ほくそ)笑むような授業。こういうほとんど経験できないような授業への自己評価は70点である。

 

まあ、70点の授業は狙ってできるものではなく「神憑(がか)り」的な好条件が重なった時のみ可能であるから、私が心掛けているのは上に挙げた「まあまあの60点の授業」である。

 

それにしても、スペイン語圏での日本語の教師は私の天職のひとつなんだろうな。1日最大10時間の授業をしたこともあるが、充実感こそあるが嫌になることはなかった。

私にとって心の疲れの感じない仕事である。私のもうひとつの楽しみ、ぶらっと異国へ一人旅、にどこか似ている。

どちらも未知の人や文化との新たな出会いが自分の心を豊かにしてくれるのである。


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tag : スペイン バルセロナ 日本語 日本語教育 天職 自己評価

 
日本語教室(バルセロナ)から(11)箸さばきコンテスト
20160223_190439 教室から


日本語教室(バルセロナ)から(11)箸さばきコンテスト

 

今日の初級クラスでの授業は語彙テスト、漢字の成り立ち、「~ている」の進行と状態の区別、など結構集中力を要する内容だったので、授業の終わり数分間を使って「箸さばきコンテスト」で思い切り楽しんでもらった。

 

用意したのは、2膳、豆ひと握り分、プラスチックコップ4個。

学生2人ずつ選抜して、コップの中にある豆をひとつずつでつまんで1メートル離れた別のコップに運ぶゲームである。

 

写真で見ると分かるように、適切なの握り方をしている学生が、やはりチャンピオンになった。最近では日本人でもひどいの握り方をしていたり箸さばきの悪い人がいるので、私の学生たち(このクラスはスペイン人とロシア人)の箸の握り方、箸さばきはなかなかのものだと感心した。

 

箸はほとんどの学生がうまく使える。日本語の学生ばかりでなく、ある程度の教養のある外国人はたいてい箸を器用に使いこなす。

もはや、箸文化は海外においても身につけるべき教養のひとつになっている、と実感できた、そんなひと時だった。

 

学生たちも集中した授業のご褒美としてのリラックスタイムを思い切り弾けて楽しんでくれた。



20160224_002645.jpg 20160223_190928 教室から   20160223_190934 教室から 20160223_190439 教室から 20160223_190937.jpg


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tag : 日本語 日本語教育 教養 箸さばき コンテスト

 
日本語教室(バルセロナ)から(10)世界は広い!「ロシアのクリスマス」
IMG_1993 kakudai



日本語教室(バルセロナ)から(10)世界は広い!「ロシアクリスマス

 

私の日本語の初級クラスにはスペイン人やウクライナ人のほかにロシア人がいる。


彼女はこの初級クラスに途中から参加してきて、日本語を学んでからまだ3ヶ月だが、吸収が速く、学習意欲も旺盛だ。

 

クリスマスと正月」というタイトルで作文を書かせたところ、非常に興味深い内容だったので紹介したい。下に示したのは私が彼女の説明を聞いて、手を入れたものである。

 

<しんねんはロシアでいちばんたいせつないわいです。

こどもたちはしんねんのプレゼントをもらいます。

クリスマスツリーはしんねんの木といいます。

プレゼントはデツモロスがわたします。


かれのなまえのいみは「さむさのおじいさん」です。

かれはスネグルチカというまごむすめがいます。

かのじょのなまえのいみは「ゆき」です。


かれらはときどき、ゆきだるまとぼうやといっしょにしんねんにきました。

このものがたりはソ連のじだいにつくられました。

革命まえのロシアにはふるいカレンダーがありました。

カレンダーはグレゴリオ暦によって二しゅうかんことなりました。


ロシアではクリスマスは1月7日です。

なぜなら、きょうかいはふるいカレンダーによってすべてのいわいをしますから。>

 

以上がロシア人の日本語学習者の作文の内容である。





ロシアでは、ソ連時代はユリウス暦だったので現行のグレゴリオ暦に換算すると、キリストの降誕祭(クリスマス)は17日なのである。

この日、ジェド・マロース(Дед
мороз, マロース(私の学生の発音ではデツモロス、寒波爺さん)と孫娘のスネグーラチカ(Снегурочка, 私の学生の発音ではスネグルチカ、雪娘)がプレゼントを運んでくる、と言うのである。

 

世界は広い。まだまだ知らないことが山ほどある。


我々日本人の世界のイメージはどうもアメリカの目を通した世界のようである。




分かっているつもりでも、極めて狭い視野で、アメリカの世界観をなぞっているだけかもしれない。

日本語初級の学生が書いた作文は、私にまた見知らぬ世界を見せてくれた。

 

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tag : 日本語教育 ロシア ユリウス暦 グレゴリオ暦 クリスマス

 
日本語教室(バルセロナ)から(9)「食べる前(×で)」と「食べたあと(〇で)」を考える
静岡新聞 2016年1月1日(金)10時38分配信 20160101-00010000-at_s-001-4-view
(2016年元旦 富士山の初日の出 静岡新聞より)

日本語教室(バルセロナ)から(9)「食べる前(×)」と「食べたあと(〇)」を考える

 

学習者から、

「【あとで】と【まえに】はどうして【】と【分けて使うんすか?」

という天才的な質問を受けて以来、折触れてこの問題が頭をかすめ、いつの間か「あと【】」「まえ【】」と、グルグルと答えを求めて頭の仲が回っていることも度々あった。

 

時間について、「寝る前【に】」とは言えるが「寝る前【で】」とは言えない。

「で」は、「家で遊ぶ」のように場所の場合は「動作・作用の行われる場所」を示す働きがある。一方、「5時【で】閉店だ」や「本を1時間【で】読む」のように時間を表す場合は、「動作・作用の行われる時間」を「限定」する働きを示す。

 

しかし、「以後【×で】」「のち【×で】」のように類似の意味の言葉を使っても、「あと」以外で【で】を付けても、表現として成り立たない。これはどうしたものだろうか。

 

時間の場合の「あと」という概念は「以後」「のち」と同様に、時間を限定するものではないのだから(ある時間の「あと」は終わりを限定することはできない)「で」を付けることはできないはずである。

 

だが「あと」にだけ「で」を付けることができるのはなぜか?

それは、「あと」を時間の経過した「」、つまり空間・場所のイメージとして捉えて使っているから、と気づく。

 

例文を考えてみる。

・ご飯を食べた「あとで」薬を飲む。

この「あとで」の【で】は、ほかの「時間の【で】」とは質を異にしている。

 

ふつう「時間の【で】」は「この本は2時間【で】読んだ」「あの店は5時【で】閉まる」のように、「その時間を超えない」「その時間を限度とする」の意味を持つ。

 

ところが、「この薬はご飯の『あと【で】』飲む」の【で】は「時間の限度」を表しているわけではない。そもそも時間における「あと」は、始まりはあっても終わりを限定する言葉ではないのだから。

 

では「あと【で】」の【で】は何なのか? 

時間における「あと(後)」は「」から来ている。つまり「あと」は「」のイメージを借りて、時間を「時間が経過した」と捉え、言わば時間を空間化・場所化して可視的に捉え直している。こう考えれば「あと」に「で」が続く仕組みが見えてくる。

 

その証拠に「あと」と類似の意味を持つ「のち」「以後」「~ご(後)」を使った文を観ると、

・震災の「のち【× / 〇に】」転職した。

・震災「以後【× / 〇に】」生まれた子ども。

・震災「後【×で / 〇に】」彼は失職した。

はどれも「で」を付けると成り立たない。

 

さて、「あと」と対比的に用いられる「まえ(前)」について考えてみる。

・ご飯を食べるまえ【×で / 〇に】薬を飲む。

時間を表す場合、「まえ【で】」は成り立たない。

上の例文で言うと、「食べる」という行為がまだ生じていない、という前提で薬を「飲む」という行為が生じる文構造だからである。食べてからの時間の経過が「」として無く、可視化できないのである。

 

ところで、「あと」は

A : ご飯を食べた「あと【〇で】」薬を飲む。

B : ご飯を食べた「あと【〇に】」彼が来た。

のように、「あとで」「あとに」の両方とも成り立つ。

 

この「で」と「に」の区別は、場所の「で」「に」と同じと観ていいだろう。

つまり「で」は「その行為が行われる場所・スペース」を示し、「に」は「その行為が帰着する点(着点)」を時間に当てはめれば良いわけである。

 

上記の文例Aは、ご飯を食べてから経過したと考える時間の「範囲・スペース」の中で薬を「飲む」のであり、

文例Bは、ご飯を食べてから経過したと考える時間のある「一点」で彼が「来た」のである。

 

学習者の素朴な疑問のおかげで、言葉の問題をさらに一歩踏み込んで、その語の本質的な性格から考える機会を与えてもらった。感謝するしかない。




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tag : 日本語教育 日本語 国語 あとで まえに

 
日本語教室(バルセロナ)から(8)教材無しで出来る授業



日本語教室(バルセロナ)から(8)教材無しで出来る授業

 

「さて、今日は私の頭の中を当ててもらう」と言うと、学生たちはポカンとした顔で私を見つめる。

 

初級クラスでは、手元に形容詞と動詞の基本語彙表を用意させる。

学生はそれらの語彙表を使いながら私に質問できる。

「それは(形容詞)ですか?」

「それは(動詞)ますか?」

 

い形容詞はそのまま「ですか」に繋げるだけでいい。な形容詞は「な」を取って「ですか」に繋げる、ことを事前にさらっと言って思い出させておく。



動詞表は辞書形で書かれているから、このゲームに動詞を使う場合は「ます形」の実践になる。可能形はまだ習得していないから「それは食べ(食べられ)ますか?」で良しとする。

 

当てられる私はできるだけシンプルな具体的な物を頭に思い浮かべる。初めは、学生からの質問は私が「はい」「いいえ」だけで答えられるものが多いが、なかなか当てることができない場合は「それはクラス(日本・スペイン)にありますか」などの別の質問の型を紹介していく。当然、最後は「それはイスですか」のように名詞文になる。

 

質問で詰めていって当たったときは、学生たちはワッと湧き、大いに盛り上がる。こんどは、学生の中の一人に私の役を渡して、順に交代してゲームを進めていく。

 

当てられる側に回った学生には「はい」「いいえ」だけで済ませないで「はい、(形容詞)です」「いいえ、(い形容詞―い)くありません」「いいえ(な形容詞―な)じゃありません」あるいは「はい、(動詞)ます」「いいえ、(動詞)ません」まで言わせる。

 

授業にときどき、このゲームを入れることによって、実際に日本人に質問する自信ができてくる。さらに「頭の中に思い浮かべるもの」のレベルを高くしていくことによって、ゲーム自体の効果も高まっていく。

 

中級クラスでは同じゲームでも「抽象的なイメージ」(例えば「愛」など)を当てさせることで、レベルに応じた質問の練習にもなるし、発音やイントネーションについて確認する良い機会にもなり、自信も付けられる。

 

まあ、何かの手違いで、授業に必要な教材一式が手元にない場合など、このゲームの存在価値を発揮できることもある。(^_-)

 

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tag : 日本語 日本語教育 ゲーム 教材無し 頭の中を当てる

 
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